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【現代ビジネス研究所・研究助成金採択プロジェクト】地域の加工技術とグローバル優位性(金沢の地場産業調査)

根橋研究員からの台湾に関するレクチャー

 

人間社会学部現代教養学科1年の松田歩美(まつだ・ふみ)です。

 

2022年1月18日に、台湾の基本情報や文化・歴史などを踏まえて、プロジェクトリーダーである根橋玲子研究員に台湾の貿易・経済や社会・文化について紹介していただきました。

今回はそれについてご報告いたします。

ミーティングはオンラインで行われ、根橋研究員、私の他に磯野彰彦先生(キャリア支援センター長)、川崎保弘研究員、国際学部国際学科4年 黒保奈那、英語コミュニケーション学科1年 羽賀恋が参加しました。

 

まず、台湾の基本情報、台湾の生活など台湾の社会構造や文化などについてご紹介があり、意見交換を行いました。

 

お話の中で出たのが、外省人(がいしょうじん)本省人(ほんしょうじん)の違いです。

戦前から台湾の土地に住んでいた人々が本省人、戦後中国から移り住んできた人が外省人です。

現在はあまりないようですが、外省人と本省人はルーツが違うため、文化の摩擦が生じたり、出世などにも関わっていた時代もあったりしたそうです。

日本ではこうしたルーツに関する話はあまり聞かないので新鮮でした。

台湾の歴史を知ることで、台湾の人の風習や暮らしについても理解が深まりました。

 

そして、根橋研究員のプレゼンでは、台湾との貿易に関しての情報を根橋研究員の実体験を交えながら教えていただきました。

 

台湾企業とビジネスすることの利点の一つとして、台湾の人は海外に出ている人が多いため、海外とのつながりがあるそうです。つまり、台湾を拠点に商品を世界各国に広めることができます。

 

なぜ台湾の人が海外に行くのかというと、それはリスクヘッジのためだそうです。

台湾の人々は台湾の歴史からもわかる通り、統治者が突然変わるなどして文化や生活に大きな変化があったという経験から、自分のことは自分で守らなければならないと考えている人が多いそうです。

そこで子供をアメリカや日本に留学させたり、海外に不動産を買ったりして、信頼する人の繋がりで世界中にネットワークを敷いているそうです。

政府を盲目的に信用することなく、自らで情報を集め、損をしないように生き抜くという、台湾人の力強さを伺い、広い視野をもってビジネスに取り組むその姿勢に感銘を受けました。

以前、北欧諸国では反対に政府の役割が大きいと聞いたことがあります。こうした政策の違いによっても、その国民の性質が大きく異なり、それぞれに売れる商品、信頼されるようなやり取りの仕方があるのではないかと私は思いました。

 

今回、台湾について知ることを通して、他の国や地域とやり取りする際に相手の文化風土について十分に理解しておかなければならないと感じました。

しかし同時に、根橋研究員の実体験をお聞きする中で、他国の人について理解するのに必要なのは、まさに経験ではないかと思いました。

 

根橋研究員からの海外ビジネスのお話の中で、世界に展開する中小企業経営者から「だまされてみることも悪くない」と言われた、というお話が印象に残っています。

台湾人は世界でビジネスを行っているため、「こんな風にだまされた」という話が良く出てきて、リスクテイクのハードルが低いそうです。一方で、日本の企業にとっては「だまされてみる」という一歩がなかなか踏み出せないのではないかと思います。

その一歩によって得られる経験には大きな価値がありますが、そこのリスクや手間をとることは日本人にとって難しい選択となります。

しかし、この一歩が踏み出せるかどうか、踏み出す勇気がでるような環境にできるかどうかが、日本企業のグローバル進出に必要となるのではないでしょうか。

 

前回の福光屋様へのヒアリングでは日本の地場産業の特徴などを踏まえ、グローバル展開の必要性について学びましたが、今回はグローバル展開のために実際にはなにが必要なのかを台湾の事例を通して学ぶことができました。

今後も、台湾や地場産業についてさらに勉強して自分の考えを深めていきたいです。

 

現代教養学科1年 松田歩美