地域貢献活動
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北陸経済連合会オンラインMTG ―女性のエンパワーメント・地方から若者が消える理由・自分らしく生きる人の価値観について議論―
国際学科4年、石川県在住の黒保奈那(くろやす・なな)です。
9月6日、
北陸経済連合会(以下、北経連と表記)副部長の高田香里(たかだ・かおり)様、課長の日野恵美(ひの・えみ)様、
日本政策投資銀行 北陸支店 副調査役の宮原吏英子(みやはら・りえこ)様、
金沢工業大学の大砂雅子(おおすな・まさこ)教授と、オンラインでミーティングを行いました。
今回は、それについてご報告をします。
北陸経済連合会とは|北陸経済連合会 (hokkeiren.gr.jp)
キーワード
―女性のエンパワーメント・地方から若者が消える理由・自分らしく生きる人の価値観―
北経連の女性活躍推進に関する取り組み
北経連では、「若い女性に訴求し、次世代を担う女性から選ばれるような企業・地域を目指す」
必要があるとして、
「女性活躍推進に向けた企業(経営層)の意識改革」
「女性自身の意識改革」
などのテーマを推進しています。
北陸の女性活躍推進の現状
北陸は、男性より女性のほうが進学や就職による流動が激しく、
転出後は戻らない傾向にあります。
北経連の会員企業アンケートと、
北陸出身女性を対象として女性の就業意識に関する実態調査より、
(調査機関:2020年8月5日~20日、回答数: 1517票)
「管理職を目指す意欲ある女性が少ない」が全産業共通して最多で、
「女性に意欲を起こさせる環境」「経営者の意識改革」
「選択できること、チャレンジできること、情報発信」が重要だ、
という課題が浮き彫りになりました。
北陸出身女性のリアルな声
ここで、アンケートや調査の回答(=北陸女性のリアルな声)を紹介します。
北陸勤務者は、
結婚や出産後も働けることへの満足度が高く、地元への愛着や安心感がある。
また、男女の待遇の格差を感じている。
首都圏勤務者は、
希望の職種や、やりがいのある仕事を重視し、
北陸在住者よりも昇進に積極的な傾向がある。
Uターンしない理由は、
「首都圏での刺激」「首都圏の方が自分の成長が期待できる」
「地元の閉鎖的な感じが嫌い」「やりたい仕事が首都圏にしかない」「年収」が多数。
北陸企業のイメージは、
「どのような企業があるがあるかわからない」の声が多数で、地元企業への認知度が低い。
課題:地方の若い女性が都会に転出したまま戻ってこない
「オンラインの普及で東京にいる必要がなくなったものの、
東京に移住した層の多くが、そのまま関東にとどまっている」という現状があります。
この課題認識に基づいて、
私や周り友人(地元石川県出身)がもつ価値観について意見交換をさせてもらいました。
今回のMTGに際して、
「自分らしく生きる人の価値観」「地方から若い女性が消える理由」
というテーマを大砂教授から投げかけて頂き、
私自身の経験・友人から聞いた価値観を簡単にレポートにまとめて事前に送りました。
後日、北経連の調査資料を頂き、私の周囲の声と北陸全体の数値が、
統計的に一致していることを確認したうえで、今回のMTGに参加しました。
議論のテーマは、
「就職先や居住地を選ぶときの考え方」
「どうして北陸企業を就職先として選ばないのか」
「北陸まで惹きつけるには、何が必要なのか」
「コロナを機に、東京志向に変化を感じるか」
など多岐にわたり、密度の濃い意見交換ができたと思います。
楽しくて、あっという間に、1時間半が過ぎました。
女性が働きやすい北陸をめざして
昭和女子大学に通うなかで「女性活躍」という言葉を何度も耳にしてきましたが、
正直、私自身この言葉についてあまり意識をしたことがありませんでした。
多様なフィールドで活躍される4名(全員女性)と議論し、言葉にすることで、
初めて自分と周囲を照らし合わせながらじっくり考えることができ、
非常に意味のある時間となりました。
最後に、「企業の論理と、若い人の声との乖離が想像以上で、
自身が企業の論理にどっぷり染まっていることを認識し、反省点が見つかった」
「多様な立場の人々の意見を聞くことは大切である」
などのコメントを頂きました。
皆さんそれぞれが、家庭や仕事での苦労を実感されており、
その経験をふまえて「北陸の女性が働きやすい環境作り」に取り組んでおられます。
そういった、「北陸の女性の居場所に向き合う人々」がいる
という事実を知ることができただけでも、私にとって大きな収穫でしたが、
さらに、若者代表として議論に参加できた経験は貴重でした。
これを機に、北陸の地に「物足りなさ」を感じて首都圏に流れる同世代が数多くいる
という現状に対し、何ができるのか考えていけたらと思います。
またの機会を楽しみにしています。本当にありがとうございました。
学生グループリーダー
国際学科 4年 黒保奈那