調査研究・その他
学園イメージソングプロジェクト
【最終回・MV完成までの道のり】(3)撮影当日
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学園イメージソングプロジェクトです。
これまで2回に分けてお届けしたMV制作裏話ですが、いよいよ今回が最終回です。
今回は、MV撮影当日の様子をお届けします!
撮影は3日間にわたって行いました。撮影スケジュールは、MVの出演順どおりではなく、撮影場所の太陽の傾きや機材運搬の効率、出演者のスケジュールなどを考慮した上で組みました。
MV撮影1日目は、少し風が強かったものの撮影日和の快晴でした。
1日目、プロジェクトメンバーや関係者は朝の5時30分に集合しました。撮影開始時間までSEP様や私たちは、機材の準備などを行いました。
現場のスタッフには連絡手段としてトランシーバーが配布されました。トランシーバーは持っているだけで声がすぐに聞こえてくるため、離れた場所の様子もリアルタイムで共有できる点が便利でした。
▲(トランシーバーとプロジェクトメンバー)
▲(1日目 タイムスケジュールの一部)
始めに撮影したのは、お掃除さんや守衛さんが出演するシーンです。ラストサビの「私らしく笑顔で」、「あふれだした夢と」の部分を踊っていただきました。この時点ではまだ、監督・撮影関係者とプロジェクトメンバーの距離感がぎこちない中での撮影でした。
このMVを撮影する上での最大の山場であるサビなどの大人数の撮影は、朝の9時から始まりました。
大人数の撮影では確認事項が様々あるため、撮影の1時間前に出演者に集合してもらいました。この時間に集合する人数は約80名いたため、感染症対策として控え室は一部屋10名前後の少人数に分けました。プロジェクトメンバーはそれぞれの控室に担当につき、出演者の出席確認とダンスや立ち位置や小道具・衣装の確認をしました。白衣やステージ衣装などの衣装、野菜や筆などの小道具は、プロジェクトで用意した物もあれば各自の私物もありました。これらの小道具は1番のサビで使用し、学科色や部活色など昭和女子大学の多様性を表現しました。
出演者の出欠確認などが完了すると、広い体育館に移動して全体で振付の確認などをしました。皆さんが事前に振付を練習して覚えてくださったおかげで、練習が想像以上にスムーズに進みました。大人数の撮影ではトラブルが発生することを懸念して、スケジュールはかなり余裕を持たせていましたが、このシーンの撮影も予定より早く終了することができました。
大人数の場面では、ドローンも用いて撮影しました。ドローンの撮影では遠くまで映ってしまうため、プロジェクトメンバーや関係者は出演者以外が映り込まないよう、各自の持ち場で交通整理をしました。撮影終了後すぐに見せていただいた映像は、ドローンならではの躍動感や広がりがありました。また、これまで思い描いていたものが映像として形になっていく光景に感動しました。
大人数の撮影が終了次第、プロジェクトメンバーは控え室や使用した教室の消毒などを行いました。
続いて、人見記念講堂の第二緞帳(どんちょう)を背景に、7名の同窓生の「かけがえない仲間たちがいつもそばにいるから」の部分を撮影しました。この撮影では、緞帳と同窓生の両方がきれいに映る距離を計算し、同窓生の立ち位置をステージではなく客席の通路に決めました。
その後、ダンスが得意な出演者の撮影をしました。ダンス経験者ということもあり、3回でOKが出た部分もありました。また、附属の小学生の撮影も行いました。先生方のご尽力のおかげもあり、ダンスを完璧に覚えていました。担当箇所以外も踊れるということで、当初の予定になかった部分も追加で撮影することになりました。しかし、撮影の時間は風がかなり強く、何度か取り直しをしたり、風が止むまで待っていたりしました。
実験室のシーンは、ダンスや撮影に慣れている人が多く、笑顔がとても素敵でした。そのため、通常のダンスパートだけではなく、寄りの撮影も追加で行いました。
〔実験室のシーン〕
1日目の最後は、キャリア支援センターの方々を撮影しました。元々の振付では足まで使って身体を回転させる振りでしたが、ダンス経験のない方でも簡単に踊れるよう、上半身だけの振りに変更しました。キャリア支援センターの方々は少し恥じらう様子もありましたが、撮影関係者やプロジェクトメンバーは微笑ましく見ており、和やかな雰囲気で撮影されました。
2日目も朝早くから撮影がはじまりました。
(2日目 タイムスケジュールの一部)
最初の撮影は、曲の一番最初の部分でした。この日も「青い空見上げて」の歌詞にぴったりの快晴でした。カリヨンと青空が同時に映るロケーションで撮影するため、屋上を特別に解放してもらいました。
昭和之泉でのビルシステムの皆様の撮影は、和気藹々と進み、ダンスもすぐに合わせることができたので撮影も早く終わりました。
(ビルシステムの皆様)
就活生の撮影は学生ホールで行いました。学生ホールは窓ガラスで覆われているため、外を通行する人への交通整理をしたり、ガラスの反射で出演者以外が映らないようにカメラやスタッフの位置も考えたりすることが大変でした。学生ホール内のパーテーションが活かされ、輝く未来が溢れるような映像が撮れました。このシーンは人数が少なく一人一人の動きが重要になるため、手の角度には非常にこだわって撮影しました。
こども園前では園児たちの撮影をしました。西門からの通行人が映像に映らないようにスタッフが誘導する中、こどもたちは皆それぞれの色を出すように、素敵な笑顔とダンスを見せてくれました。
西キャンパスでは、英語の先生と留学生の撮影も行いました。ここで留学生が使用した衣装は全て、プロジェクトメンバーが以前世界各国の現地で入手したものでした。
続いて、人見記念講堂の前でアカデミックガウンを着用した卒業生のシーンを撮影しました。アカデミックガウンは当日のみの貸し出しで、衣装の到着時間に合わせて撮影時間が決められました。また、衣装到着時には「人見記念講堂」の文字が太陽光の加減で影ができ綺麗に見えなかったため、少し太陽が沈むのを待ってから撮影にはいりました。出演者は、帽子がとれないようにしたり、帽子が他の人に被らないようにしたりと、衣装に合わせて立ち位置や振りを適宜変えていました。
(卒業生のシーン)
この撮影で最も難しかった撮影はグリーンバックのシーンでした。グリーンバックは、昔の着物と昔の制服とボストンキャンパスの3つのシーンで使われました。グリーンバックの撮影は、わずかな光が入ると撮影ができないため、日が暮れるのを待って行われました。出演者には昔の衣装を着てもらうので、着付け専門のスタッフがいました。着物は少しダンスをすると袂が崩れてしまうため、カメラが止まる度に衣装を整えながらの撮影でした。また、合成する背景に出演者が違和感なく重なるよう、立ち位置や角度を微調整していました。完成した映像を見ると、写真の中に本当に入り込んだように合成されていて、プロの仕事の凄さに感動しました。待ち時間が長い出演者もいたので、カメラの前に立ってすぐに最高のコンディションになるよう、衣装を着用した上で衣装の見せ方も考えながら振りの最終確認をしました。
(グリーンバックの撮影)
この日は20時過ぎに撮影が終了し、控室等の消毒作業を行いました。ここまで丸2日間の撮影で、ほぼ全てのシーンを撮影できました。慣れないことも多く疲労感もありましたが、撮影した映像を見ると疲労を忘れてしまうくらい大きな達成感がありました。撮影の現場では個々の動きも大切ですが、チームワークが最も重要だったため、撮影を通してプロジェクトメンバー同士の団結力が一層高まりました。さらに、撮影に慣れてくると、出演者の笑顔を引き出す空気作りが上達しました。また、最初はSEPのスタッフとの距離に戸惑いがありましたが、徐々にコミュニケーションをとれるようになり、どのような映像を作りたいか相談しながら撮影を進められるようになりました。
撮影最終日は、中高部の撮影のみ行いました。出演する中高生と現場で会うと、早速練習をしており、そのダンスのクオリティーに感動しました。もともとの振付は上半身のみのシンプルなダンスでしたが、全身を使った躍動感のあるアレンジになっていたり、フォーメーションの移動も考えていたりして、とても華やかな映像になりました。また、当初の予定になかったサビの部分も振りも覚えていたので、そこも追加で撮影しました。
(カメラ写りを見て振りのアドバイスを行う様子)
撮影が全て終了した後、出演者にアンケートをとりました。感想として「学校一人ひとりが輝ける機会がある大学だなと改めて思いました。作品の完成楽しみにしています。ありがとうございました。」など寄せられたと同時に反省点も見えてきて、アンケートを踏まえて反省会をしました。
MVはたった4分の映像ですが、その制作過程には多大な時間と労力が掛かり、映像制作の大変さを実感しました。映像に映っている方々だけでも200名以上ですが、裏方にも数え切れないほど沢山の方の協力がありました。
撮影後には、セップさんが編集作業を重ねて下さり、こうして無事に完成させることができました。
これまで3回の記事でMVの制作裏話として、映像を見ただけでは分からないこだわりや、撮影の様子などをお伝えしてきましたが、いかがでしたか?数百名を超える人たちが丹精込めて作った楽曲やMVを、これからも皆さんに永く愛していただけたら幸いです。
学園イメージソングプロジェクトは、2021年9月末をもって解散となります。これまでの皆様からの多大なご協力、本当にありがとうございました。
楽曲管理各種業務は学園イメージソングプロジェクトから学園本部 総務部に引き継ぎ、式典などの大事な伝統とあわせて末長く語り継いでいきます。
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