調査研究・その他
学園イメージソングプロジェクト
【MV完成までの道のり】(2)撮影までの準備
学園イメージソングプロジェクトです。
前回の制作会社決定までの道のりの記事は読んでいただけましたか?
MVのコンセプトなどが書いてあるので、まだの方はぜひそちらも読んでみてください。
- 前回の記事
今回も前回に引き続き、ミュージックビデオ(以下MV)制作の裏話です。
制作会社決定後から、撮影直前までの様子をお届けします。
SEPの企画を基に、MVのコンセプトは「100年ダンス」に決定しました。それに伴い、プロジェクトメンバーのダンス経験者2名が、振り付けを一から作りました。
ダンスを作るにあたって心がけたことは、2つあります。
一つ目は、老若男女、誰でも簡単にすぐに踊れることです。上半身の腕の動きをメインにすることで、初心者でも簡単に覚えられるようになっています。
二つ目は、歌詞の内容を身体で表現することです。例えば、「信じてみよう自分の力を」では、胸に手を当てたり力こぶを作るような動きを取り入れたり、「輝き」というフレーズでは手をキラキラさせたり、「笑顔」というフレーズでは自分の頬に指を当ててみたりしました。
振付の土台が完成した後、ダンス経験がないプロジェクトメンバーが試しに踊って、難易度を確かめました。その感想をもとに振付を見直し、完成させました。
完成した振り付けを出演者に教えるために、撮影の一週間前に振り付け講習会をオンラインで実施しました。本来は対面でダンスを教えた方が細かなところが伝えられるため対面での実施を予定していましたが、出演者が多く大人数が密集してしまうため、オンラインでの開催になりました。
振り付け講習会の前に、YouTubeの限定公開で振り付けの動画を公開して予習してもらいました。
講習会当日は、ZOOMブレイクアウトセッションで出演シーンごとに分かれ、担当の振り付けをプロジェクトメンバーがそれぞれ教え、お互いに画面越しに様子を見て、疑問点などを確認し合いました。
2021年1月から、MVの出演者も募集しました。
まず、大学生向けには、UP SHOWA(学内情報WEBサイト)を活用し、Google formで応募してもらいました。しかし、1ヶ月間の募集状況は、企画の段階で想定していた100名には程遠く、20名前後と、思うように集まりませんでした。集まった応募のフォームを分析したところ、知人の紹介で申し込んだ人やダンス経験者が多い傾向が見られ、応募数が少ない原因は、企画の認知が行き渡っていないことや顔出し・ダンスに抵抗があることなのではないかと考えました。
そこで、募集期間を2週間延長し、各学科の協力を得てクラスルームの時間などに宣伝を行ったり、サークルなどの団体の中で、ダンスや音楽、人前に出ることを得意とする団体をスカウトをしたり、プロジェクトメンバーの友人やゼミのメンバーにも撮影への参加を依頼したりすることで、徐々に出演者を増やしていきました。また、学生の多様性を表現するために、幅広い学科からの募集が必要だと考えました。そこで、ダンスがあまり得意ではない人にも気軽に参加してもらえるよう、募集資料に新たに参加者の要望を書ける欄を設けました。
募集した出演者は、大学生だけではありません。MVを通じて「学園の一体感」を表現するために、付属校の児童生徒、教職員、OGにも出演を依頼しました。
こうして出演者を募った結果、合計200名近くの方がMVに出演しました。
出演者のカットに割りでは、まず撮影スケジュールとカットを書き出し、各シーンに必要な人数と、どのような人に出演してもらいたいかなど、大枠を決めました。
その後、出演者の日程希望や友人関係などを考慮しながら、グリーンバックのシーンに出演したいといった要望に沿ったり、ダンスが得意な人など出演者の長所や特徴を活かせるシーンへの割り振りを考えたりしました。
また、学科や部活の多様性を表現するため、楽器やラケット、パソコン、白衣などの小道具を持つ人を決めました。
出演者の大半はプロジェクトメンバーと面識がないなか、ダンス歴など自己申告していただいた情報を1つ1つ拾っていきました。
出演カット毎の連絡や個人への連絡、衣装の季節感や色についての細かな連絡も多く、LINEなどでは重要な情報が流れてしまう恐れがあったため、大学生出演者との連絡には、内容ごとの整理や履歴による情報共有がしやすいslackを用いました。
直前までスケジュール変更があり、出演者割り振りはとても骨の折れる仕事でしたが、この作業があったからこそ無事に撮影進行がされたように思います。
200名近くの方が出演するMVの撮影をするにあたり、職員を交えながら新型コロナウイルスの感染対策についての議論も重ねました。
演出面では、大人数での撮影を予定していた場面は必要最低限の人数にしたり、ソーシャルディスタンスを保てる立ち位置を考えたりしました。
撮影当日には多くの人が集まってしまうことから、特に入念に感染対策をしました。
出演者ごとに集合時間と解散時間を決めて、できるだけ滞在時間を短くし、不特定多数の交流がないようにしました。控え室を多めに用意して密集を避け、感染対策の注意事項が書いてある紙を全部屋に貼り、部屋の使用前後のアルコール消毒を徹底し、各部屋にアルコール消毒液を設置しました。
撮影関係者全員に、撮影の1週間前から当日の朝まで検温してもらい、撮影時以外はマスクを着用の着用を徹底しました。
皆様の協力のおかげで、感染者が一人も出ることなく、無事に撮影できました。
当日の撮影を円滑に進めるため、プロジェクトメンバーの動きや配置を細かく書いた表を作成しました。プロジェクトメンバーは、控え室で出演者をまとめる係、控え室と撮影現場間の誘導係、リハーサルの指導係、撮影本番にカメラ横でダンスの見本をする係、撮影現場を管理する係に分担しました。その分担と撮影スケジュールを組み合わせて、各カットの撮影に滞りなく進められるよう、撮影本番の時間から逆算して計画を綿密に立てました。しかし、出演者の変更や撮影時間の変更などが直前まで発生したため、この計画は撮影の前夜まで練られました。
ここまで、2本に分けてMVを撮影する前の段階の裏側のお話をお届けしました。
次回はいよいよ、撮影当日の裏話をお送りします!