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【現代ビジネス研究所・研究助成金採択プロジェクト】地域の加工技術とグローバル優位性(金沢の地場産業調査)

2021年度 キックオフMTG 

今年度のプロジェクトが始動しました!

 

前年度から引き続き参加する国際学部 国際学科4年の黒保奈那(くろやす・なな)です。

本プロジェクトでは、

「地域の加工技術とグローバル優位性(4年目)

―金沢・福井・燕の地場産業と台湾との連携可能性―」

をテーマに、

新たに研究対象として福井を加え、金沢のモノづくり技術・地場産業について

引き続き調査を進めます。

 

7月13日、昨年から共同研究者としてお世話になっている

金沢工業大学の産学連携室 大砂雅子(おおすな・まさこ)教授とのキックオフミーティングでした。

1年生3名をメンバーに迎え、新体制として初めての活動です。

 

写真:大砂雅子教授

出所:大砂教授からご提供頂きました。

 

キーワードは、「女性のエンパワーメント・マネジメント」 

ジェトロ(独立行政法人貿易振興機構)で初めての女性海外事務所長、

「金沢カッコいい女子の会」代表などのご経歴をもつ大砂教授ならではの視点から、

我々の問題意識に関してフィードバック頂きました。

こうして、また大砂教授にご指導いただけること大変嬉しく思います!

 

今回のミーティングでは、

台湾連携や、伝統工芸品の職人の後継者不足の深刻化、現代の若者へのアプローチ、

伝統工芸の現代化、現代のマーケティングのノウハウなどの議論がなされました。

 

私からは、去年の金沢調査のなかで、得られた成果・気付きについて質問しました。

私自身、議事録を書く時にすべて主観が前面にでてしまったという反省があり、

大砂先生はどのように感じとったのか気になっていたからです。

 

大砂先生のフィードバックは、

「作り手は、それぞれ全く異なる性質をもつ」ことを指摘されたうえで、

「作る人」「見て使う人」「売る人」との溝を感じながら、

それぞれの想いを聞くことは重要である、

ということでした。

これについて、私も非常に共感します。

 

というのも、昨年、九谷焼の作家である赤地径(あかじ・けい)さんと、

金沢卯辰山(うたつやま)工芸工房川本敦久(かわもと・あつひさ)館長

そこに通う作家2名の方(作り手3名)にヒアリングを行った時に、そう感じたからです。

 

器を「道具」として何度も使ってもらい、石川県を拠点に、

器を手に取ってくれた人々の食卓を彩ることに価値を見出す赤地さん。

器を「作品」として表現し世界に挑戦する卯辰山工芸工房の作家さん。

 

同じ作り手の方でも「モノづくり」に向き合う姿勢が多様であると認識できたことが

私のなかで大きな成果でした。

 

それは、このプロジェクトの先輩メンバーと共に、作家さんの感性の源をひきだすために工夫を凝らし、

数時間にわたるインタビューの録音を繰り返し聞きなおすなかで得られた気づきです。

(過去のS-LABOの記事で、このときの取材について書いているので是非チェックしてください!)

 

作り手ご本人の言葉で、器への向き合い方や、それぞれが大切にしている軸、思いを聞くことができたのは

大変貴重な経験でした。

私は、取材の議事録をまとめるために、会話音声を繰り返し聞けばきくほど

3名の作り手の方のファンになりました!!

 

「作る人」「見て使う人」「売る人」との溝 

「後継者不足が問題となっている伝統産業と、現代における伝統工芸品の在り方」について

プロジェクト内でたびたび議論をしてきました。

そのなかで、勝手ながら、どんな作り手の方も「グローバルな事業展開」を考えているものだと考えていました。

だからこそ、よけいに「リアルな声」を知ることの意義を痛感しています。

昨年、金沢の「作る人」の考えを聞くことができたので、

今年は「売る人」側の視点を取材できれば、新しい発見ができそうな気がします。

 

今年度の意気込み 

今年度も、大砂教授やプロジェクトリーダーの根橋玲子研究員をはじめ、

メンバーの皆様のお力を借りて、多様な方々と出会い学びを深めていきたいです。

唯一の昨年からの参加メンバーとして、また、今年は学生グループリーダーとしても、

これまで先輩方が築いてきた実績を引き継ぎながら、更なる成果が得られるよう努めてまいります。

 

学生グループリーダー 

国際学科 4年 黒保奈那