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【現代ビジネス研究所・研究助成金採択プロジェクト】燕三条地域の加工技術とグローバル優位性~産業集積を支えるものづくりのDNAを探る

「燕ワークショップ③」(酒店と酒蔵)

9月16日の研修3日目は新潟市江南区亀田にある「わたご酒店」と、同市中央区の「今代司(いまよつかさ)酒造」のオンライン見学と質疑応答でした。つばめいとのご厚意により、コロナ禍で燕入りできない私たち学生のために、つばめいとの若林事務局長とスタッフの方々が、わざわざ新潟市まで出向いて下さり、Zoomによる中継をして下さったのです。

そのあとは、ワークショップに向けた打ち合わせです。4日目はまる1日、次の日の施策発表会に向けた打ち合わせを行い、5日目はいよいよ新潟大学の岸保行准教授や株式会社新越ワークスの社長でつばめいとの代表理事も兼ねている山後春信(さんご・はるのぶ)様、ブリッジにいがたの富樫様、公益社団法人つばめいとの若林様に、『新潟県の日本酒の購買量をあげるための施策』についてプレゼンテーションを行いました。

 

さて、ワークショップ3日目午前にオンラインで訪問した「わたご酒店」さんは、“家族でこられるお店”をコンセプトに、お酒の販売に加えて彩り豊かなお弁当も販売している新しいスタイルの酒屋さんです。祖父母が開業したお店の後継ぎである寺田和広(てらだ・かずひろ)様に、Zoomでお店を案内していただきました。(写真1)

 

写真1:わたご酒店の内観と跡継ぎの寺田和広様

出所:つばめいと事務局長若林悦子様

 

皆さんは「酒屋」と聞いてどんなお店を想像しますか。私は漢字で銘柄が書かれたお酒がぎっしり並んだ古風な建物・お店を想像していました。しかし、わたご酒店では、画家が描いたおしゃれな“テーブルにおける日本酒”や、“魚のさんまに合う日本酒”など、おしゃれなデザインのラベルが貼られた様々な種類のお酒が並んでいて、見るだけで楽しくなる、温かな雰囲気のお店でした。オンライン販売もしているので、気になる方は是非チェックしてみてください!

学生からの質疑応答の時間では、オンライン事業の詳細や、定期購買にすることのメリット、SNSの種類ごとの販売促進効果、海外事業に展開するお話などを伺いました。私は酒屋といえばお酒を売ることに絞った事業展開をしていると思い込んでいました。けれども、わたご酒店ではお弁当の販売など事業を多角化することで、お店が新たな魅力で包まれていることが印象的でした。

他にもオンライン販売やYouTube、Instagramなど、絶えず時代に合わせた新たな日本酒の発信方法を模索しながら実行しているお店の方々のエネルギーに圧倒されました。オンライン販売では日本酒のソムリエといわれる唎酒師(ききざけし)が選んだ日本酒セットも販売しているので「日本酒は種類が多くて、選ぶのは大変そうだ」と思っている方にもお勧めです!

 

続いて今代司酒造株式会社のご協力の元、オンラインによる酒蔵見学です。直売店店長の木津怜(きづ・れい)様に蔵の中を案内していただきました。(写真2写真3)

 

写真2:オンライン酒蔵見学の様子(左が直売店店長の木津怜様、右がつばめいと事務局長の若林悦子様)

出所:つばめいと深海菜々様

 

写真3:今代司酒造の外観

出所:つばめいと深海菜々様

 

今代司酒造は新潟駅から最も近い酒蔵で、観光客や全国的な知名度も高い酒造です。酒蔵を無料で見学することができ、国内外から年間800組以上もの団体ツアーのお客様が訪れるそうです。常時15種類以上のテイスティングができるコーナーや直売店もあるので、新潟に立ち寄った際には是非訪れてみてください。また、浅草に店を構える日本酒アイスクリーム専門店『SAKEICE』とコラボした商品開発や、“錦鯉”と呼ばれる鯉の瓶ボトルなど、革新的な挑戦をしている企業でもあります。2019年に開催されたイタリア酒ソムリエ協会による酒品評会「ミラノ酒チャレンジ」米部門で金賞、デザイン評価部門でデザインプラチナ賞という「W受賞」を果たした“人と木と ひととき”というお酒もあります。

 酒樽は想像以上に大きく、高さは人の2~3倍くらいあったように思います。人の手間がかかったお酒が大きな樽のなかでゆっくり時間をかけて発酵され、製品になっていく過程を想像すると、日本の伝統と文化のパワーを感じられました。今回はオンライン上の見学でしたが、現地でしか感じられない日本酒づくりの匂いも気になりました。今代司酒造もまたオンライン販売を展開されているので、コロナの自粛生活の気分転換に是非日本酒を試してみるのはいかがでしょうか。パッケージや瓶だけでも目を引くお酒や、甘酒なども販売しているのでアルコール苦手な方や健康志向の方にもおすすめです!

 

このあとはいよいよ施策提案に向けて動きだします。