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【現代ビジネス研究所・研究助成金採択プロジェクト】燕三条地域の加工技術とグローバル優位性~産業集積を支えるものづくりのDNAを探る

「燕ワークショップ②」(地域商社とアンテナショップと割烹)

ワークショップ2日目の9月15日。午前中、私たちは東京・三軒茶屋の昭和女子大学現代ビジネス研究所のミーティングルームに待機し、つばめ産学協創スクエアからオンライン中継で、昨年4月に第四北越フィナンシャルグループが設立した「地域商社」である株式会社ブリッジにいがた(以下、ブリッジにいがた)のにいがたセールス事業担当である富樫友也(とがし・ともや)様から地域商社の役割についてお話を伺いました。地域商社はここ数年増えていて、ブリッジにいがたのように地方銀行が設立するケースが多いとのこと。ブリッジにいがたの主な事業内容と目的は、新潟県内企業の販路開拓や観光振興、生産性の向上などだそうです。例えば、外国人観光客に対応するために、日本酒のラベルにQR translatorを利用したサービスを提供しています。これはQRコードを読み取ることで製品の情報を他言語に翻訳してくれます。東京だけではなく新潟を訪れる外国人が急増している中で、外国語に対応することで、外国人観光客が新潟を訪問しやすいよう、環境を整えているのだと感じました。

また、ブリッジにいがたは①素材で勝負できるマーケットづくり、②付加価値の創出に力を入れており、➀は地方銀行と連携しながら活用することが重要で、②はニーズを探るマーケティングや意外性のあるブランディングがカギを握っているそうです。

 

午後からは、電車でメトロ半蔵門線の表参道駅まで移動し、アンテナショップ「ネスパス新潟」を訪問しました。(写真1.2)同駅から、なんと徒歩で約2分!というとても好い立地条件に恵まれています。1階では、新潟の地酒やお米、笹団子などの特産品の販売、2階のオフィスではU Iターン・移住の相談も行っています。

3階は展示・交流スペースで、新型コロナウイルスの感染が広がるまでは、ここで数多くのイベントが行われていたそうです。ここで、私たちは館長の小川裕輔(おがわ・ゆうすけ)さんや館員の古堀由佳(こぼり・ゆか)さんから、集客のために新聞に折り込みチラシを入れたり、どのようにPRしているかなどについても教えてもらいました。ネスパス新潟を運営しているのは公益財団法人「にいがた産業創造機構」といって、館長の小川さんは県の職員だそうです。

物販スペースの一角にある立ち呑みBAR COCOでは、新潟自慢の日本酒3種類をワンコイン(500円)で飲み比べができます。(写真3.4)多くの種類の日本酒が並んでいて、日本酒が苦手な人でも飲みやすいシャンパンのようなフルーティーなものも多く扱っていました。店内は常に人の出入りがあり、とても賑わっていました!私たちに新潟のお酒についてレクチャーしてくれたのは「新潟・食楽園」の酒主任の尾野裕介(おの・ゆうすけ)さんです。金沢からオンラインで参加した学生2名もたくさん質問していました。

写真1:ネスパスの外観

出所:プロジェクトメンバー撮影

 

写真2:ネスパス内観(大人気の笹団子)

出所:プロジェクトメンバー撮影

 

写真3:飲み比べコーナー

出所:プロジェクトメンバー撮影

 

写真4:ネスパス新潟<「新潟・食楽園」酒主任の尾野裕介(おの・ゆうすけ)>でのインタビュー

出所:プロジェクトメンバー撮影

 

この新潟・食楽園は地下1階で「お食事処」をやっていて、私たちは、へぎそばやタレカツをいただきました。タレカツのタレはソースでもなく、しょうゆでもなく、甘辛い不思議な味でした。ごはんは「コシヒカリ」だそうです。夜は居酒屋さんになり、新潟のお酒を飲みながら、新潟直送の「海の幸」を味わることができます。

そのあとは、3階の展示・交流スペースに戻り、燕市秋葉町にある料亭明治屋さんの五代目、大橋和明(おおはし・かずあき)様から、地酒の紹介や日本酒と料理の提供の仕方についてお話をお聞きしました。お酒を楽しんでもらいたいという想いから、お客様の好みのお酒や飲む量に合わせて料理を工夫しているそうです。一杯ずつ酒器を変えて、器も楽しめるようにしたり、事前にお客様の要望を聞いたり、常にお客様一人一人に寄り添い、おもてなしをしている大橋様の温かい人柄がZoomを通してでもしっかり伝わって来ました。(写真5)

 

写真5:日本酒の説明をする割烹明治屋の5代目大橋和明(おおはし・かずあき)様

出所:つばめいと専務理事若林悦子様

 

 新型コロナウィルスの影響でオンライン上の開催でしたが、本ワークショップの計画から開催に携わっていただいた方々に改めて感謝申し上げます。多くの方のご支援があり、5日間無事に終える事ができました。ワークショップを通して、新潟県内で活躍されている方々の想い、地域の繋がりの深さを知ることができ、変化する時代に合わせて柔軟に対応されていることがとても印象的でした。そして、5日間でお伺いした企業の方の取り組みはそれぞれ異なるけれど、「地酒を大切にしている」「新潟の日本酒を広めたい」という想いは共通しているということを深く感じました(丸岡梨湖)。