地域貢献活動
【現代ビジネス研究所・研究助成金採択プロジェクト】燕三条地域の加工技術とグローバル優位性~産業集積を支えるものづくりのDNAを探る
台湾研修①
皆さんこんにちは。国際学科4年の捧里桜(ささげ・りお)と申します。新潟県三条市の出身です。
この度、昭和女子大学現代ビジネス研究所の燕三条プロジェクトは、日本を飛び出し、台湾へと出張(現地調査)して参りました。日程は1月11日から13日までの2泊3日。ちょうど台湾の総統選挙の投開票日とぶつかりましたが、この3日間に沢山の方に出会い、沢山の刺激に触れました。
初日の1月11日は、7字55分羽田空港発の中華航空(チャイナエアライン)の飛行機に乗り、台湾の台北松山(タイペイソンシャン)空港へ。台湾に到着してまず感じたのは、日本とかなりの温度差があり暖かいこと。そして湿度の高さです。私は思わず上着を脱いでしまいました。
時刻はすでにお昼に近かったため、台北駅近くのレストラン(写真1)で昼食を取りました。メンバーは訪問団長である公益社団法人つばめいと代表理事の山後春信(さんご・はるのぶ)新越ワークス社長、今回の台湾訪問のナビゲーター役の根橋玲子(ねばし・れいこ)現代ビジネス研究所研究員、同研究員、アドバイザーの磯野彰彦(いその・あきひこ)ビジネスデザイン学科教授、そして私捧里桜と食安全マネジメント学科3年生です。
それに加えて、空港に私たちを出迎えに来てくださった開南(Kainan)大学の趙順文(Tio Sunbun)教授、中国信託銀行組織関係部の江畑裕美子(えばた・ゆみこ)さん。趙教授は開南大学と日本各地の国公私立大学との交流を推進してきた方で、日本語が堪能です。
食事をしたお店は小籠包が有名なところで、メニューに収まり切らないほどのバリエーションの数々。小籠包という料理の奥行きの深さを実感しました。お店の入口では、料理人が小籠包を作っている姿も見ることができます。
写真1:台北市内の小籠包レストラン
出所:筆者撮影
昼食を終え、お腹がいっぱいになった私たちは、次に桃園(Taoyuan)市内にある開南大学(写真2、写真3)に向かいまいました。
迎えてくれたのは日本語学科のハンさん。彼は日本語を学んで5年だそうで、その流暢な日本語で我々を案内してくれました。
写真2:開南大学キャンパス入口
出所:筆者撮影
写真3:開南大学キャンパス内
出所:筆者撮影
開南大学のキャンパスは敷地が広大で、どこまで続いているのかと、疑問と驚きを抱きながら周りました。また、図書館の建物も大きく、別の大学がもう一つあると言われてもうなずけるほどの規模でした。
そして、大学構内には2つの寮があり、私たちが訪れたのは第二学生寮というところ。部屋数は各階30戸ほどで、共用の冷蔵庫や洗濯機があり、シェアハウスのようだと思いました。
ここでは、商学院院長の高立箴(Lie-Jane Kao)教授にご挨拶し、少しお話をしたのちに趙教授が再び合流してくださり、その後夕食をご一緒させて頂きました。
場所は桃園市内のアウトレットモール内にある創作料理レストラン。開南大学の葉哲正(jason J.Yeh)董事長(理事長。この方も日本語が流暢でした)を迎えて、様々なお話をお聞きし、お伝えし、料理を味わい、とても素敵な夜になりました。
2日目は、桃園市内の縫製メーカー、旭輝(SHIUH-HUEI)針織有限公司を訪れ、工場を見学させてもらいました。実際に使用している機械や型を間近で見ることができ、好奇心が掻き立てられました。「金属」と「布」という、扱う素材は違っていても、燕市と桃園市のものづくりにはやはり共通している部分があるのだなと感じました。
昼食は縫製メーカーの劉宣興(Eson Liu)董事長(社長)行きつけの雲南料理のお店(写真4)に案内していただきました。どの料理をとってもとにかく辛く、終始舌が火傷したような熱さで涙が出そうになりましたが、食文化を知る上で「辛さは我慢」だという気持ちで料理に手を伸ばし続けました。
写真4:雲南料理のレストラン
出所:筆者撮影
出所:筆者撮影
楽しい食事のあとは、台北市と高雄市をつなぐ台湾高速鉄道の桃園駅から乗車し、台中(Taichung)駅に向かいました。台湾の高鉄は日本の新幹線の技術を導入したもので、日本で走行している車両とは遜色がなく、とても快適な時間を過ごすことができました。
台中駅から向かったのは東海(Tunghai)大学(写真5)ものづくりセンター(写真6)。ここは、産学協同の拠点として大学と企業を繋げているそうで、まさに公益社団法人つばめいとのような存在が台湾にもあるのだと知り、ますます興味が湧きました。お会いした劉仁傑(Reu-Gye Liu)教授と育達科技大学の吳銀澤教授は、ともに神戸大学で博士号をとられており、日本語が流暢で、物腰も柔らかく、学生のことをよく見ていらっしゃるという印象を受けました。
写真5:東海大学キャンパス内にある教会
出所:筆者撮影
写真6:ものづくりセンター内にて
出所:参加者撮影
劉教授、吳教授、そして、劉教授の助手の方と吳教授の教え子の学生の方も参加し、大学近くの客家料理のレストランで夕食をとりました。台湾に来て初めて同年代の方とじっくりと話すことができ、台湾の学生や就職活動の様子、また交通事情などについて尋ねました。
【現地調査を振り返って】
生まれて初めて訪れた台湾でしたが、まるでこの土地を前から知っているような懐かしさがありました。それはおそらく風景だけでなく人と接する中で感じたものであり、そう感じることができたのも、多くの人に出会うことができたからだと思います。そのチャンスを与えてくださったプロジェクトリーダーである根橋玲子研究員に、この場を借りて感謝の意を伝えたく思います。
また、この台湾出張では、燕三条を訪れたからこそ感じ、思う部分がありました。昨年、燕市の企業を訪れた際に、そこで働いていた台湾出身の方のことが話題になったり、すでに述べたように産学連携の場をお互いに持っていたり、今までのプロジェクト活動を経て、台湾に来て、「点と線がつながった」ような感覚を得ました。
今回の活動によって燕市と台湾の新たな道が拓けそうなのはもちろん、参加した自分自身にも大きな何かをもたらしてくれるような気がしました。それ程今回の台湾出張は大きなものとなりました。今後もプロジェクトの前進を図って参ります。
(国際学科4年 捧里桜)